【日々のこと】国語の先生に教えてもらった「本の開き方」
みなさま こんにちは。
本日は、私が学生時代に出会った、「現代国語」の授業を担当していた先生のお話です。
50代の男性教師だったのですが、「他の先生とは、ひと味違うな!」と感じたことがあります。
それは、各学期の1番最初の授業で、新しい教科書を読み始める前に行う、「ある儀式」です。
買ったばかりの本。
紙が糊付けされている付け根近辺、書き込みしにくくないですか?
どのページを開いても、手で押さえておくのが疲れませんか?
いずれも、すぐに閉じようとする、紙たちのかすかな抵抗を感じます。
そこで、この先生は、教科書が新しいものに切り替わるタイミングの授業で、上記を解決する「本の開き方」を教えてくれるのです。
その手順は以下の通りです。
(全て目分量で問題ありません!完璧主義の方、ざっくりで大丈夫です!)
①まず、本の半分程度のところでページを開きます。
(全200ページ本の場合、100ページ前後でお願いします)
② ①で開いた両ページの、糊付け部分を「ギュッ!ギュッ!」と手で上から圧をかけます。
(下の画像の緑で囲った部分です)
③次に、右側のページ束と左側のページ束、それぞれ1/3と2/3でページを開きます。
(全200ページ本の場合、30・60・130・160ページ前後、ということになります)
④ ②と同様に、緑部分を上から「ギュッ!ギュッ!」
⑤くどいようですが、最後に、本全体の1/3と2/3部分を「ギュッ!ギュッ!」
(全200ページ本の場合、70・140ページあたりでお願いします)
これら一連の流れを一言でまとめると、「本に開きグセをつける」ということになります。
使い込んだ本のように、「のりでガチガチに製本された背の部分を、先に緩めちゃおう!」という企画ですね。
初めて、「本の取り扱い方」を授業で教えてもらった日は、若干感動しました。
「この先生、めちゃめちゃ本と国語が好きなんだな〜」と分かり、毎回の授業が楽しみでした。
ちなみに、この先生の愛すべきストーリーがもう一つあります。
例えば職場で、同僚から温泉旅行のお土産としておまんじゅうが配られた日。
その場では食べず、家に持ち帰って、1つのおまんじゅうを4等分して家族みんなで1口ずつ食べるらしい。
これは、決して、「家が貧しくて食糧難」ということではなく。
「観光地に行かないと手に入らないおまんじゅうを味わうささやかな楽しみでさえも、家族と共有したい」というマインドですね。
なかなか愛おしくないですか…?
授業を受けていた頃から15年くらい経ちますが、未だ、印象に残っているストーリーです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!